闇に入れば
闇の中を彷徨って、光が見えない長いトンネルの途中で優しさの言葉が降り注ぐ。
遠くから絶対に大丈夫だよって聞こえる。
遠くから頑張れば良い事あるよって聞こえる。
闇に入れば、右も左も分からないだろう…
闇に入れば、誰もが光を探すだろう…
闇に入れば、出口が無いと疑うだろう…
だが私には闇の中でも、手を伸ばすと壁がある。
幸運にも壁伝いに歩いて行けるのだ。
不安も恐怖もこれで無くなった。
人は支えなしで生きていくのは辛いものだ。
壁に耳を傾けると、私の笑い声が聞こえる。
すぐ側で楽しそうに笑ってる。
すぐ側で嬉しそうに笑ってる。
私の進むべき道は、これで決まった。
先の見えない出口を探すより、光を探した方が早いだろう…
闇に入れば、壁は低いと気付かないだろう…
闇に入れば、扉がある事に気付かないだろう…
闇に入れば、救いの手にも気付かないだろう…
この闇には、光が絶対どこかにあるのだ。
光を解き放った瞬間、そこに広がる世界は…。